2017 ウィーンオペラ Madame Butterfly

更新日:2020年11月8日

No.3  ウイーン国立歌劇場

2016~2017のシーズン

マダム バタフライ

Madame Butterfly   9月12日


BESETZUNG

Philippe Auguin | 指揮

Josef Gielen |演出

Tsugouharu Foujita | 舞台装置


* Krist?ne Opolais | Cio-cio-san, genannt Butterfly

* Bongiwe Nakani | Suzuki

* Piero Pretti | B.F.Pinkerton

* Boaz Daniel | Sharpless

* Lydia Rathkolb | Kate Pinkerton

* Herwig Pecoraro | Goro

* Peter Jelosits | Yamadori

Alexandru Moisiuc | Onkle Bonze


   一言で言うと当夜の演目はマダムバタフライでなくこれはピンカートンのオペラだった。少なくとも私には。

Prettiを聴くのは私は初めてであったが、

役柄の海軍士官らしいキビキビした立ち振る舞い、端正な音楽作りと自由な息遣いの理想的な主役だった。声にムラがなく、誇張されたものは出さず、それでいて肝心の高音は確実に出してくる 。彼はクオリティーをもった音楽性で聴衆の共感を誘った。


  さて私はこのオペラをよく知っているつもりであったがこの指揮者とオーケストラの手にかかると、意外なフレーズから発生した音楽が連続して発展し爆発するというプッチーニの音楽が、まるで別の曲のように新鮮に出現する。


  シャープレスはごく控えめな歌唱だった。声が前に出て来にくいのでピンカートンの過失を責めるストーリーはもっと浮き立っても良かったのだが。

 スズキにはずんぐりむっくり風采が上がらない黒人歌手が登場、日本人が好む高級女中のイメージからはかけ離れていて失望、と思いきや、彼女が歌い出した途端、その歯切れの良いリズム感、低声から高声まで自在な声でもって、耳から入ってきたものが見ているものを簡単に凌駕して、素晴らしい日本女性が出て来たのには驚いた。そして最後まで存在感を放った。


 さてバタフライ。登場シーンから厚ぼったい、だから重い、暗いダルな声で前途多難を思わせられた。自由な発声がなければ当然音楽のフレーズが甘くなり、下手なポルタメントなど聞きたくもない。大柄なソプラノで演技に可愛げも気品もない。なぜこの人がタイトルロール? と思っていた。二幕に入ってややファインな声が出始め、トレーニングを身体で覚えているアリアなどは無難に歌って形を作り、体裁はできたのだがこれではプッチーニが愛した蝶々さんは出て来ない。

聴衆の反応には? が付くものだったので残念。が、これはよくあること。


舞台作りはここの伝統のフジタによるもの。精巧な日本の調度品が出てくる。仏壇は日本流に見ると粗雑ではあったが。


オーケストラはこの曲が気に入っているようで前述のように何気ないところから思いも掛けない音楽を引き出して提示。当方の浅学を実感させられた次第。





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