9月8日にウイーン入りしました。 今回のウイーンでの目的は以下のオペラを聴くことです。
10日「トウーランドット」
11日「ローエングリン」
12日「マダム バタフライ」
13日「カルメン」
天気はまさに真夏のピーカン天気がずっと続いて、湘南地方ではとっくに終わった夏がここでもう一度満喫できました。3年ぶりのウイーンオペラ独断と偏見で記していきます。
TURANDOT Giacomo Puccini Marco Armiliato | Dirigent Marco Arturo Marelli | Regie und Licht Lise Lindstrom | Turandot Dan Paul Dumitrescu | Timur Marcello Giordani | Calaf Olga Bezsmertna | Li? Heinz Zednik | Altoum Paolo Rumetz | Mandarin Gabriel Berm?dez | Ping Jinxu Xiahou | Pang Norbert Ernst | Pong Wolfram Igor Derntl | Prinz von Persien (Gesang) Younghee Ko, Martina Reder | M?gde 中国を素材にした題材にしたこのオペラはともすれば、その内容のスペクタクル感のためか、強大で大雑把な音楽のように一般には感じられがちだが、この公演はそれとは全く違った味である。 音楽は極めて繊細に紡ぎ出されるのにはびっくりさせられる。。これは極上のオーケストラの仕事だから。また現代風アレンジを混ぜた演出は歌手や合唱、踊り手まで、ごく丁寧な動きでよくこの音楽のもつ純粋な愛に対する感覚を提示したのだった。 指揮者は正確に作曲者の意図を汲み取って丁寧に表現をしている。群衆の合唱やコミカルな動きの激しいピンポンパンの音楽も丁寧でしなやかな舞台になって、このオペラの全体の下敷きを作ったように感じる。。 歌手陣ではTurandot姫 が一番評価高く、聴衆から熱烈な拍手が最後に送られたように、決して暴力的ドラマチコではなく、自然な体勢から明るく伸びやかな声が離れていく。聴いていて素直に五臓六腑に入ってくる快感がある。ドラマティックな役だがうっとうしい押し付け感の色合いがないのはすばらしい。 Liuはppを多用した役づくり。指揮者の要望でもあるのだろうが、これが却って惹きつけられる。役の哀れさは最後のアリアの最終部分でクレッシェンドを全エネルギーをオーケストラとの偉大な表現に成功して聴く者の心を打った。 Calaf はシーズンが彼にはまだ始まっていないのかのような硬い声の出方で、前半は埋もれがちで声が平板で伸びて来ない。そして高音のの二か所で傷を見せてしまった。 私として今回のウイーン旅行はJohann Bothaがこの役を歌うのを聴くのがメインだった。Giordaniがその代わりをしてくれたとは思えないのは残念。 Bohtaは私がウイーンに入った日に亡くなった。ザルツブルグの復活祭音楽祭でオテロをやるはずがキャンセルして不安には思っていたがまさかなくなると思わなかった。(それにしてもその代役のホセ クーラはとんでもなくひどい歌い手、かつて新国立のラダメスを歌い、初日にトイレで会った畑中先生はご自分が招聘したので「どうだ、すごいテノールだろう」と得意げだったが、私はそのとき小首を傾げるしかなかった。) Bothaは現代には珍しくなったBelCantoの歌い手。私は好んで聴いていただけに貴重な逸材を失ってしまい無念の思い。 さてCalafはその後調子を取り戻したが相手役には及ばない。「誰も寝てはならぬ」は一通りこなしたが満足感ありとは言い難かった。 Zednikは1960年代からの座付きの名脇役、70年代から聴いているが固い声だったが演技力に優れた人でとても懐かしい。
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