荘厳華麗な法要 仏教音楽を味わう
日曜日の午後、江の島近くにある古刹、日蓮宗本蓮寺で行われた 『日蓮上人ご来山750年記念 声明と雅楽 』に行ってきました。
十五名の若い僧侶と雅楽奏者による大法要で そのパフォーマンスは豪華絢爛でした。みな良い声でしかもその立ち振る舞い、所作も訓練されていてとても素晴らしかったです。
声明は仏教の声楽です。釈尊の教えに旋律をつけてその教えを流布し継承するという役割を持ったもので、インド、中国から仏教が伝来した時、声明も日本に伝えられました。天平時代の奈良仏教において盛んとなり、東大寺の大仏開眼式の大法要で声明が唱えられたといわれています。
日蓮宗の声明は天台声明を範として各本山により様々な発展をしていたが昭和初期に集大成されて現在に至っているとのことです。
本蓮寺の若住職の清田さんはこの声明にことのほか熱心で国立劇場でのパフォーマンスにも出演してきておられます。その関係の人脈がこの大イヴェントを可能にしているのでしょう。御住職と若住職が勿論 この日の導師役です。
本堂に雅楽奏者5名が入場し着座、演奏が始まります。笙(しょう)篳篥(ひちりき)笛、太鼓で彩色豊かな音が流れ出ます。次いで 御題目とともに声明の人たちがその装束で入場、絢爛豪華な声楽曲 声明になりました。いずれもかなり若い僧侶さんです。大体は座して唱えられますが平伏したり、立ち上がったり、歩きつつ歌われます。
日蓮宗の声明は比較的難解でない旋律のユニゾンでした。シンプルなだけに荘厳で声の音色は明るく、力強いバリトンが圧倒的な男声合唱でした。声と雅楽がこれほどまでに豊かな音楽性をを持つアンサンブルであるとは私はこの時まで全く思いがけなかったことでした。
休憩なしで1時間半ほどの大法要でしたが、100名以上の聴衆を全く飽きさせず、皆身じろぎもせず聴き入りました。皆さん本当に感じ入った様子でした。
このお寺の本堂のすぐ裏手高台にあるお墓に由紀さんは眠っているのです。きっと彼女もこの素晴らしい仏教音楽を喜んで聴いてくれたことだろうと思いつつ、私も魂が浄化された思いで本堂を後にしました。
◆本蓮寺◆
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