Q & A
◉「ソロと合唱とでは声の出し方に違いがあるのでは?」
自然な発声によって、透明感があり素直なヴィヴラートで明るく響くという基礎的なことでは何も違うところはありません。
ただ複数の人が歌うことで、自分の声を抑えることが要求されますね。しかし受身にならずに、良い発声で皆が歌えば、音楽が流れてよくハーモニーして行くものです。合唱団の一歯車になって偏狭な発声を強いられることは避けなければなりません。これは若い皆さんの声の発展に何よりも有害なことです。
◉「パート別に声の出し方に違い(意識することの違い)があるか?」
例えばバスだからといっていつも重く暗く、いわゆるバスらしく歌う、ということは間違いです。曲によって伸縮自在に最適なものが出せるように、柔軟な声がだせるようにトレーニングをすることです。
◉「次のような場合、どのようにしたら良いか?」
以下のことを矯正するためには、次のような一人一人のレッスンが必要です。
・先ず落ち着くこと。
・一声づつ出だしが爆ぜないように注意深く
・明るく軽く歌って行く。
・舌、下顎、上胸をよく緩める。
・すぐに大きな声を目指さない。小さな声でトレーニングして行く。
「浅い声、薄い声になってしまう」
「息漏れがする(sop)」
「息が長く続かない。(ブレスが浅いから?)」
「声量が不足する。響きが不足する。」
「クレッシェンドができない。フレーズが途中で弱まる。」
「ハミング、(クローズ)がうまく響かない。不自然である。」
「音程が下がる。」
「高音でPが出来ない」
「高音が出ない。ファルセットへのチェンジがうまくいかない。かすれた感じになる。弱々しい声になる。」
⭕上に掲げた基本的な事項を基に丹念に訓練していけばこれらの問題点は解決していきます。
◉「全身を使って歌えていない。腹筋が使えていない。支える力が足りない。」
正しい発声は、全身を使おうとしてはいけない、歌唱時に必要な器官は横隔膜と声帯だけです。エネルギーは腹筋ではなく横隔膜から来る。横隔膜は人の喜怒哀楽、感情の根源であって、笑ったり泣いたり、くしゃみや咳などで感じることができます。これは上体がリラックスしていないと働かない。また腹筋を使おうとすると却ってその動きが原因で、横隔膜はその正しい働きを封じられてしまいます。
従って腹筋運動、腕立て伏せなどは歌唱のためには有害となります。
あらゆるスポーツは息をせき止めずに、吐きながらおこなうことが肝要です。
この度のロンドン五輪で私は競技とは別にとても驚いたことがあります。女子重量挙げでシルバーメダリストになった三宅選手のことです。
彼女の試合後のインタビューでの話し声なのですが、その声の透明なこと、明るいこと、暖かいこと、伸縮自在なこと、そして何よりも浄らかかなことに感動してしまいました。普通に考えればこのスポーツは力仕事ですから、男まさりでドラ声の女性が出て来て、柔な男子である私などすぐに謝って敬遠したくなりそうなタイプだろうと思っていたのです。彼女の、無駄な力を取り去った声、これこそが重量挙げにおいて必要な最小の筋肉のみを使い、横隔膜からの凄まじいエネルギーをタイミング良く来させることに習熟した結果であろう、父親の三宅義信氏が長年かけて会得した尊いメトードであるのだろうと思った次第です。
◉「軽く明るい喉のメカニズムとは?」
合唱のレッスンの時に私はサンプルの声をたくさん出しましたね。どうぞそれを思い出して下さい。模範唱から感じ取ることが間違いない伝承となります。
◉「声の響きの方向は前?後?」
「鼻腔へ響かせることへの理解。軟口蓋への意識の欠如?」
これらは声が共鳴する場所を意識しようとしている質問ですね。
肺から出た息が喉頭の声帯を通過する時に声に変換されるわけで、その時点ですでに結果である声は決まってしまいます。共鳴は結果であるので場所を狙うのは間違い。自由な息遣いが正しい共鳴をもたらすのです。
🔴以上ですが、発声や歌唱、声楽、合唱についての質問がまだありましたら遠慮なく下記へ Mail をして下さい。
b.i.z.en66@gmail.com Libero Canto Japan 09065291371
藤沢市鵠沼桜が岡4-15-27 ( 本鵠沼駅 2分)
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